RTM向けサーバー構築のまとめ

はじめに

ワークステーション・サーバーPCなどといった類のパソコンはたくさん販売されている。だがMinecraft向けのサーバーというとそううまくいかない。

つまりは、サーバー向けCPUのような並列処理ではなく、マイクラ向けのサーバーでは、シングルコアの性能を重点的に利用した処理をサーバーで行っているからである。

以上のことからも、こちらの記事でも執筆したように、所謂サーバー向けCPU(Xeonなど)ではModを含めたMinecraftサーバーをまともに稼働させることはできないという結果がすでに出てしまっている。

パソコン工房でワークステーションを検索した結果。
低価格台のPCは主にファイルサーバーが中心となっている。

目指す構成

では、例えばサーバー向けPCを自作するとしても、どのような構成のPCを目指せばよいのだろうか?

  1. Intel Core iシリーズなど、シングルコアの性能を重視したCPUを選択する。
  2. 最高性能は求めない。安定した性能で、安定して稼働させることを考える。
  3. 冷却は水冷・空冷の両方を検討するが、長期的な稼働に耐えられるパーツを選択する。(本格水冷などは不可)
  4. 電源などのパーツも長期的な稼働に耐えられる高水準な物を選択する。

以上の構成を大まかに目指すのがこれまでの経験上好ましいと考える。そうなると、既に構成されて販売されているPCでは難しい。サーバー向けに組みあがっているPCは自作などパーツを交換することを考慮されていないモデルも多く、将来性が著しく低いのである。

PCを自作しよう!

結論としてはPCパーツを自分で購入し、一から組み立ててゆくのが最適解と思われる。所謂「自作PC」というやつだ。

今回は一例として、比較的高水準のパーツを選択し、見積もりを立ててみよう。
尚、グラフィックスについてはサーバーには必要なく、内蔵グラフィックで事足りるため紹介しない。また、PCケースについても今回は記事の意図と逸脱するため、あえて省略する。

CPU:Intel Core i5-9600K(実売価格:\25,764

「i5-9600K」の画像検索結果
Core i5-9600Kの外箱。OCが可能な「UNLOCKED」という記述が確認できる。

intel製CPUの中ではミドルハイスペックに位置する、いわば中間よりは少し高性能といったモデルである。i7、i9ほどの性能は持たないが、今回の例はサーバー向けであり、ゲーム等に使用しないため、必要以上のスペックを要求する必要はないと判断した。

これでも過剰と考えるのであれば、9500番台などのi5シリーズ、またより安価な旧世代モデル(Kaby-Lake,Coffee-Lake)も候補に入れるといいだろう。

注意点として、このモデルはOC(オーバークロック)をすることで性能を向上させることが可能であるが、この場合は安定性には欠けるため、使用しないこととする。

RAM:16GB~32GB DDR4-2666(実売価格:\7,980~\17,980程)

「DDR4-2666」の画像検索結果
※画像はイメージです

サーバーを運用するにあたって、メモリ容量は非常に重要である。マイクラにどれだけ割り当てるかはこの場合そこまで考えないが、最低でも16GBは必要であろう。小規模サーバーであると事情は異なるが、10人以上サーバーに入るサーバーであればこれぐらいあって損をすることはないだろう。

尚この記事では主に大規模Mod「RealTrainMod」の導入を想定している。このModは仕様上扱うメモリの量が膨大であるため、より大容量のメモリを扱える方が有利である。ただし、買いすぎ、詰めすぎに注意。

マザーボード:ASRock B360M Pro 4(実売価格:\13,980~)

「B360M Pro 4」の画像検索結果
B360M Pro 4。M-ATXを採用したコンパクトなマザーである。

今回はOCを使用しないため、比較的安価なB360チップセットを搭載したマザーボードを選択した。この記事ではM-ATXを採用したコンパクトなマザーを例として紹介しているが、ケースや部屋の容積に余裕があるのであれば、一般のATXマザーボードの搭載を検討してもいいだろう。

なおB360マザーボードには、メモリスロットが二個しかないような代物も存在する。大容量のメモリを必要とする今回の事例には合わないものであるため紹介しないが、価格はこちらに比べると安価である。

電源:玄人志向 NEXTシリーズ 80 PLUS Bronze 600W(実売価格:\5,227)

「KRPW-N600W/85+」の画像検索結果
KRPW-N600W/85+。ATX600W電源である。

電源はPCパーツ選びでかなり重要な部分である。それだけ高価なパーツを選びたくもなるが、いずれは壊れてしまうことが多い。何処かは忘れてしまったが、曰く「電源は消耗品」とも言われている。

自分はそこまでひどいとは思わないが、いずれにせよ、必要以上の大容量は費用がかさむだけである。500~600W程度で十分だろう。

一つ気にしておきたいのは、電源ケーブルの長さである。このモデルは短いというレビューはそこまで見かけなかったが、稀に届かないレベルで電源ケーブルが短いという電源も存在する。買うときは気を付けてほしい。

HDDかSSDか

ここまで主なオススメのパーツを紹介してきたが、記憶媒体は意外にも重要である。

大容量で安価になってきたHDD。いまだ値段は張るものの、読み書き性能が非常に高いSSD。

どちらを選ぶべきかと言われると答えることは難しい。SSDだから故障しないなどといったこともなく、HDDだから読み書き性能が非常に遅いとも言えなくなってきているからである。ここは各自の判断にお任せしたい。

まとめ

ここまで長々と書いてきたが、結局は何を大事にするかということにPCの自作は大きく左右される。今回はMinecraftサーバー向けのPCとはどんなものか、自分がこれまで得た知見をもとに素人ながら書いてみたが、これからどのように変化していくかはわからないもので、新しくPCの性能ではなく、ネットの帯域という問題にも直面しているので、新しい知見を得れば、また新しく記事を書くこととする。

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